蘇州にて

                                



トップテナー 高木辰夫(昭和35年卒)


 しぐれ       わがとも
 時雨の日 我友と蘇州に遊ぶ
         はくせい さそ
 枯葉舞いて 白声を誘う
        ひそ     みなも
 子女の声 秘やかに 水面を渡り
     すいせい  びどう
 運河の水声 微動だにせず
                  せいじゃく
 古き家々 影を落として 静寂を友とし
          こきゅう    ね
 耳をすませ 「胡弓」の音 聞かんとす
          いっそう
 旅情を運ぶ 一漕の舟

 我たたずみて 時を忘却す

 (碩秋 詩)
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